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兎澤直樹

気まぐれ社長コラム No.15「お金と時間」

更新日:5月20日

*この記事は弊社ドットコネクトの学生アルバイトに配信している「気まぐれ社長コラム」の内容(2024年4月26日)を抜粋して掲載しております。


お金も時間も、その体感的な価値は時間とともに変動する。


ただしここで言いたいのは、為替による円高・円安の価格変動という意味ではない。


為替は同じだったとしても、今受け取る1000万円と、80歳になって受け取る1000万円では価値が違うのは分かるなんとなく理解できるだろうか。


「80歳になって大して動けないし食べれないのに、1000万円なんて受け取ってもさほど使い道がない」となってくるのだ。


80歳で1000万円を手にするよりも、例えば子どもが生まれて、引っ越して、習い事に通わせて、学費もかかって、でも将来への積み立てもしなきゃ、というとにかくお金が必要なタイミングで受け取る1000万円の方が価値がある訳だ。


時間もそうだ。80歳になると体の動きに制限も増えて時間を持て余す人が多くなる。若いころには気軽に動けるのだ。


若い時にはこれに気づきにくいが、これを知っているだけで、今お金や時間とどう向き合うべきかの判断軸が生まれる。


この軸がないと、「彼氏には最低年収800万円は求める」「1000万円はほしい」とか「暇ができたらこれを勉強したいと思ってはいる」みたいな、表面的なお金や時間の使い方のモノサシしか持てないのだ。


つまり、その根拠がない。なぜその金額がほしいのか、それはいつまでにほしいのか、そういうビジョンや目標設定が具体化されたものが根拠としてなければ達成しづらいのだ。


目標もビジョンもないのに、とにかくメディアに将来的な危機感をあおられて「貯金!貯金!」となってしまう。


僕の場合はそうならないように、自分の人生にいくらお金がかかるかをスプレッドシートで計算している。そして、この1年間でいくら収益をあげていればよいのかを把握している。逆に言うと、それ以上の収益を求めて仕事時間を増やすと、子育てしている今の状況を考えると、人生の大切な時間を犠牲にして不幸になっている可能性があることに気づけるようにしているのだ。


また、若い時から貯金ばかりすることで、体験や自己投資に回せず、将来的な収入アップが望みにくくなる人も多い。


金融投資も大事だし僕も14年間やっているが、原資が少ないと、例えば10万円が運よく2倍になったところで所詮10万円の利益だ。10万円で何ができると言うのだろう。我が家で言えばコストコ2回の買い物で終わりだ。投資もある程度のインパクトを出すには原資がいる。1億の原資を年利回り5%で回してようやく年500万だ。


若いときにできる投資で、最もリターンが大きいのは圧倒的に「自己投資」だ。すなわち、自分の価値を高めるための勉強にお金と時間を投資するということだ。


少ない原資でたまたま運よく原資を2倍にできて10万円の利益(20%は税金で取られるが)を得るよりも、自分の能力を高めることに投資をして所得を上げることを考えた方がいいではないかと思う。僕の経験上、本1冊買って読めば、そのリターンはだいたい100倍くらいになる。1500円の本で15万円になるくらいの試算がしっくり来る。そう考えれば、生涯所得を1億円増やすにはどうすればいいか。カンタンだ。できるだけ若いうちに100万円分本を買って読めばいいのだ。


もちろん、「金融投資を0、自己投資を100で行け」という極端な話をしているわけではない。バランスの問題だ。ただ、自己投資をほとんどせずに貯金や金融投資にばかり回すことによる損失はかなり大きいという話だ。


若いころは、若いころにしかできないことにもっと時間も使うべきだ。


色々なところを旅したり、尊敬する人に会いに行ったり、本を読んだり。


僕は、社会人になってからも毎月収入の20%くらいは自己投資に充てていた。金融投資は5%くらいからスタートした。


なんとなく家でゴロゴロする時間も、それはそれでもちろんよいが、年老いてからもできるというか、年老いたらそういうことしかできなくなるのだ。お金があっても本当に人生において価値あることには今さら使いようがなくなってくるのだ。思い出を残そうにも、そもそも脳が記憶できなくなっているかもしれない。笑


だから僕は、一定金額以上は自分の銀行口座にお金が貯まることがないように気を付けてきた。銀行口座にお金が結構な額貯まっているということは、自己投資が足りないかもしれないし、もっと金融投資に回した方がいいかもしれないし、家族との旅行や思い出作りが足りていないかもしれないのだ。そういうことにお金を使えるのは今この数年間しかなく、80歳になって家族で旅行行こうということもあまり多くないだろう。


自分が90歳とかになって、多少の遺産があったとして、60歳くらいの子どもたちに相続してどうなるというのか。それだったら、子どもたちがまさに一番お金が必要なタイミング(おそらく30歳前後)で渡しておいてあげた方が価値があるというものだろう。だから僕は、遺産相続するなら子どもたちがそのくらいのときに渡せるようにがんばり、それ以降は自分と奥さんの人生、若い世代の応援にお金を使いたいと考えているのだ。


時間は誰にとっても1日24時間しかないのは平等だし、お金も有限だ。


それをどう振り分けるかを判断するには、「今」の時間やお金の価値を的確にとらえる必要があるということを今日は言いたいのだ。


僕はもう今年37歳だ。あっという間に人生の折り返し地点に近づいている。この前産まれたばかり(という感覚)の娘ももう5歳だ。


まさに、光陰矢の如し。


今、君たちが過ごしている1分1秒は、60歳になったときに、「あの頃もっとこうしておけばよかった」と感じる1分1秒かもしれないのだ。


君たちも後悔しないために、今ある時間やお金は、将来とは価値が違うということを認識して、ぜひ有効活用してほしいと思う。


今日も数億円の価値があるコラムを書いてしまった。本当ならコンサルフィーが必要なレベルだ。笑

しかし、実践するかしないかは君たち次第だ。実践しなければ価値はゼロだ。


P.S.

「DIE WITH ZERO(ゼロで死ね 人生が豊かになりすぎる究極のルール)」という素晴らしい本がある。今日のような話が書いてる。将来を考える上で参考になる本だ。僕はもっと早くこの本を読みたかった。身銭を切ると学びが真剣になるから自分で買ってもいいし、うちにもあるからぜひ読んでみてほしい。

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