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  • 兎澤直樹

気まぐれ社長コラム No.13「多くを経験し自分なりの価値観を持とう」

*この記事は弊社ドットコネクトの学生アルバイトに配信している「気まぐれ社長コラム」の内容(2024年4月10日)を抜粋して掲載しております。


前回のコラムでは、「生きていくには当然お金も大事なのは事実だから、変に自分の心にフタをして行動を抑制しなくてもいいのではないか」という話をした。


今回もそれに関連して、お金に関することに触れたいと思う。


君たちは、お金をいくら稼ぎたいと思っているだろうか?


正直、僕はあまり物欲やブランド志向もそこまでないが、多少の人生の望みはある。


自分がやりたいこと、奥さんに対してやってあげたいこと、子どもに対してやってあげたいこと、それぞれある。


その望みをかなえるには、やはり多少のお金は必要だ。


よく、メディアの街中インタビューとかで、女性に対して「結婚相手に求める年収は?」みたいなものがある。


人によって1000万円とか、800万円とか、様々だ。


これは人の価値観だからいいが、大事なのは自分が望む人生にいくら必要かを算出しているかどうかが大事だ。


僕は計算している。


不確かな部分(何歳で仕事を引退するか、何歳で死ぬか、年金はいくらもらえるのか、現金を含めて保有資産の価値がどうなっていくのか等)はもちろんあるが、大雑把でも計算しておくと、人生の重要な決断の局面においてとても参考になる。


僕の場合は、仮に70歳で仕事を引退した場合と75歳で引退した場合で分けてみたり、自分が85歳や90歳で死んだ場合をシミュレーションしてみたり、引退前と引退後にいくら生活費が必要かを想定してみたりしている。


僕は海外を旅するのが好きだから、仮に奥さんと海外に行ったときには1か国あたり平均いくらかかるかも仮に設定して計算している。


そういういくつかの変数を手入力すれば、現在の年齢から引退までの現役期間1年あたりいくら稼いでいればいいかが自動算出されるようにスプレッドシートを使って大雑把に把握している。


僕は家族との時間(特に子どもが小さい頃)も大切にしているから、逆に言うとそれ以上の稼ぎを求めて仕事に費やす時間を今このタイミングで増やすことは、自分の人生を不幸にしてしまうかもしれないと思っているのだ。


それに、そういう目安がないと、起業をすると「もっとやらないといけないんじゃないか」と漠然と不安になって誤った経営判断をしかねない。


そして仕事ばかりに時間を費やしてきた金持ちはたくさんいる。


酷い人は、際限なくお金を求めるあまり、詐欺などに手を染めてしまう人もいる。


僕は、自分が必要とする稼ぎと、そのために費やす仕事時間に根拠が必要だったので起業する前に計算したのだ。


それによって算出された、1年あたりに必要な稼ぎの金額を見て、「あー、この程度ならたぶん行けるな」と思って、起業することがあまり怖くなくなった。


とはいえ、計算するにしても自分が望む生活にいくら必要かを算出するには、「そもそも自分が望む人生とはどういうものか」をイメージできないといけない。


これにはもしかしたら、もう少し経験が必要かもしれない。


僕も大学生のときにはまずそれは無理だったと思う。なぜなら、例えば「タワーマンションに住むことは一般的には成功者っぽいステータスを与えてくれるような気がするが、自分自身の幸福度をどれだけ上げてくれるものなのか」を知るには、その経験がない大学生の頃の自分では判断がつかなかったからだ。


社会人になっても、経営者になっても、案外、「自分自身の理想の人生がこういうものだ」というイメージを具体化できている人というのは僕が見た限り多くはない。


君たちにおすすめなのは、これから色々な経験をして、あるいは自分のこれまでの人生では触れる機会がなかったような色々な人の人生や生き方に触れる中で、「自分がどんな人生を望んでいる人間なのか」を試し、きちんと自分という人間を知ることだ。これは超大事だ。


みんなこれをせずに、ただ漠然と働いている気がする。そして、なんとなくステレオタイプ化された人生を歩む。


僕が意識してきたのは、人と会ったり、旅をしたり、本を読んだりして、人生の選択肢を広げ、その中から、他でもない自分自身の意思で選び取るということだ。


僕は実際に、都内のタワーマンションに4年間住んだことがある。要は、それなりに高い家賃を払ってまでタワーマンションに住むことが、本当に自分自身や家族の人生の幸福度を上げてくれるのかを、自分の身をもって確かめたのだ。そして住んでみて、メリットもデメリットも自分なりに分かった。


ここで大事なのは、世間体や一般的なイメージを気にするよりも、「自分なり」の感じ方を優先することだ。


他にも、海外を色々旅してみたり、奥さんと一緒にマニラのスラム街を歩いて現地の人たちを暮らしを見せてもらったり、様々な経験をする中で、何が自分(たち)にとって良い形か、世間体を気にせず、先入観にとらわれず、なるべく柔軟な視野で判断できるよう情報を集めていったのだ。


そういう価値観がある程度奥さんと合ったのはラッキーとしかいいようがないが、そういうことをお互いに確かめるコミュニケーションも取ってきた訳だ。


もちろん、人生は変化がつき物だ。あとで状況や望みが変われば、少しスプレッドシートの変数をいじれば一瞬でまた1年でいくら稼げば良いかが算出され、常にひとつの指標になってくれる。


これは、会社経営している人間であろうが、会社勤めだろうが、先の人生に不確かさがあっても、ある程度の指標にはなるから、ぜひやってみてほしい。


P.S.

人生をなるべく誰かにコントロールされるのではなく、自分でコントロールできるようになると、とても自由で楽しいぞ!

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