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兎澤直樹

気まぐれ社長コラム No.38「収入を上げるには?」

*この記事は弊社ドットコネクトの学生アルバイトに配信している「気まぐれ社長コラム」の内容(2024年11月19日)を抜粋して掲載しております。


今日は、これから君たちが社会に出る上での準備としても、社会に出た後であっても常に知っておいてもらいたいこととして、「収入を上げるにはどうしたらいいか」という話をしたい。


ただし、ここで言う収入というのは、新卒入社の初任給のことではない。もっと長期間で見たときの収入額の合計だと思ってほしい。初任給なんて、高いに越したことはないのかもしれないが、絶対ではない。なんの自分の実績や評価にも基づかない、自分の働きを根拠とするものではないからだ。しかし、長期的な収入の合計となってくると、やはりその人の実績や評価と概ね帳尻が合ってくるものだ。


まず考えなければならないのは、「収入の額」というのは、どのような変数によって決まるものなのかということだ。


君たちは、収入の額というのは、何で決まると思うだろうか?ちょっと考えてみてほしい。


多くの人が「収入を上げたい!」とは思っているが、どうやればいいかを説明できなかったりする。


もちろん色々あると思うのだが、僕は基本的に2つの変数によって決まると思っている。


①「どれだけ多くの人に貢献できたか、役に立ったか、喜ばせたか」×②「リスク、責任の重さ」


これだ。これまで僕なりに、長者番付上位者や、そこそこ裕福な人たち、自分の周りの人たちや自分自身の歩みを研究していても、基本的にこれで説明がついてしまうのだ。実際には色々な変数が絡んではいるが、それらはこの2つをさらに細分化したものに過ぎないと考えている。


例えば、スポーツ選手の収入を考えてみよう。


スポーツ選手の収入というものは、身体能力や努力量、パフォーマンスに必ずしも正比例する訳ではない。いかに身体能力が高く、凄まじい努力をしたとしても、マイナースポーツだと収入が低く、アルバイトしながらやっている選手たちも実は少なくない。


でも、インドのクリケット選手の中には、チームの年俸やスポンサー契約などを合わせて年間約36億円とかを稼いでいる人もいる。インドは人口がめちゃくちゃ多いし増えているが、クリケットの視聴率は非常に高く、メディア価値が極めて高いのだ。つまり、多くの人をスポーツ観戦で楽しませつつ、スポンサーの業績向上にも寄与しているのだ。


どんな選手にも与えられている時間は等しく24時間だけだ。なのに物凄い差がついてしまう。


要は、単純にどれだけの人の役に立てたか、喜ばせたかが重要なのだ。


もちろんそれは、マイナースポーツをやっている人がダメだとか、そういうことではない。たいてい好きでやっているのだから全然良いことだと思う。今回はあくまで「収入の額」という観点だけで論じているだけなので誤解のなきよう。


他の分野の例でいえば、デイトレーダーなんかはどうだろうか。


それほど直接的に誰かの役になっているという感じではないかもしれないが、とにかくハイリスクだ。レバレッジをかけたりする取引なんかはさらにハイリスクだ。それが良いとか悪いではない。もちろん高いリスクを取れば必ずしも高い収入を得られるわけではない(だからハイリスクなのだ)が、投機的なデイトレーダーの中に桁違いの金持ちがいる理由はここにあると説明がつくという話である。


一般企業ではどうだろうか。やはり役職が上がると給与も基本的には増えるが、その分、責任が重くなる。何かあればその人が責任を取らなければ成り立たないから、比較的替えがききやすいルーチン業務をやっている人に比べて高給なのだ。


僕の場合は、RPAの運用をサポートなしでは成功させられない(自動化できずに今まで通り人が非効率なことをやらないといけない)ような企業に対して、他のRPAベンダーよりも役に立てそうだという自信があったから、リスクを取って独立してもやっていこうと思えたわけだ。


でもそれはサラリーマン時代よりも高リスクで重い責任が伴う。お客様からお金をいただく以上、契約が締結されれば何かトラブルがあれば全責任を僕が負わなければならない。また、事業がうまくいかずに会社が破産すれば、会社を作ったときに僕個人が出資した出資金が戻らないだけでなく、家族も養えない。


そういう「何かを失うリスク」と「何かあれば自分以外にどうにかできる人がいない」という責任の元にやっているから、うまくいけば安定した給与がある(リスクが低い)サラリーマン時代よりも高い収入が望める。それが原理原則なのだ。


みんなも、やはり給料を上げたいと思うだろう。


でも、給料が上がるというのは、責任が増えるし、それに伴って結果に対するコミットメントとプレッシャーも強くなることを意味する。


それに耐えうる仕事の実力と、健全な精神力、誠実さを身に着ける努力を積み重ねていないといけない。


資本主義社会というのはそもそもどういうものか。ろくに現場で働きもしないけど、お金だけ出す人の方が金持ちになったりする。それも多く出せば出すほどだ。会社の株式の過半数以上を持つ大株主は、経営陣をクビにする権限だって持ったりする。


それはなぜかといえば、基本的に安定した給与がある従業員よりも、お金を失う方がはるかにリスクが高いからなのだ。


要は、単純にリスクの高さなのだ。


僕の場合は、特にやりたいことも特技もなかったので、とりあえず社会に出て、給料の高さよりも目の前のお客様を大事にし、良い修行を積むことを何より重視した。そして、そこで培った仕事のやり方とビジネス感覚、少しばかりの人とのつながりと信用を持って、リスクを取って起業した。また、サラリーマン時代から、多少のリスクを取って金融投資はしていたが、本業に時間を使いたかったし、レバレッジをかけるほどのハイリスクな投機はやらなかった。


それでも時にはそこそこのリスクを取って、結果、だまされたり失敗したりして損したお金も数百万円はあると思うが、それも授業料だと思っている。それでも通算で見れば、コツコツやってきた高すぎないリスクを取っての投資をしてきたおかげで金銭的には全然プラスだ。その売却益のおかげで、それなりにこだわった結婚式やハネムーン、さらこだわりまくった持ち家を建てるなど、人生における重大イベントでの費用の一部に充てられる資金とすることができた。もちろん起業する上でも、「最悪、株売れば何か月かは生きていけるな」と思えたものだ。


今も高すぎないリスクの投資は続けている。リスクはあるが、それでも投資もせずに金利もつかない銀行にだけ預けていることの方がむしろリスクだと思っている。


長くなって恐縮だが、さらにもう1つだけ加えると、「どれだけ多くの人に貢献できたか、役に立ったか、喜ばせたか」という1つ目の変数は、さらに3つに細分化できると思っている。


1.他人のお役に立てる自分の武器の見定め

2.その武器を活かせる環境の選択と広げ方

3.その武器を磨き続けたり増やす努力


の3つだ。


収入を上げる上で、経済情勢とか、為替とか、会社の評価制度がどうとか色々あるが、自分ではコントロールできないものもあったりする。それらは「変数」ならぬ「定数」だ。


大切なのは、自分自身でコントロールできる「変数」に集中することだ。「定数」はあまりにおかしな制度などには声を上げつつも、基本はどうしようもないから放っておく。多少不満があったとしても、定数をどうこうするよりも変数に集中した方が収入は上げやすいのだ。


君たちがこれから社会に出て、良い修行をきちんと積み、自分の武器を磨き続け、それを活かす環境の選択をしていけば、間違いなく収入は上がる。


そのプロセスで、時に失敗することもあるだろう。環境の選択をミスるとかそういうことだ。でも、そう感じたらすぐに環境を変えればいい。一時的に数字が落ち込んでも、中長期的に取り戻せばいいのだ。何かで失敗しても、それはそれで必ず学びがあるから次に活かせる。


いかに失敗から学ぶか。失敗を恐れずに血肉にする術を持っていれば、あとは進むだけである。


収入の額ばかり気にして仕事をするのも良いのか悪いのか微妙なところではある(それが行き過ぎて詐欺師になってしまう人もいる)が、きちんとお客様のために自分を磨く観点と実努力があれば、やはりその両立を狙うのが一番良いと思っている。


君たちには、きちんとこの国や社会のためになる仕事をして、なおかつしっかり収入を上げていってほしい。あまり多くのお金を望まないという価値観ももちろんあるしそれを否定はしないが、だったらしっかり稼いだ後に、自分が思うところに寄付でもなんでもすればいいのだ。まずはお役に立てる努力を積み重ね、収入を上げてから考えればいい。


今日は自分の収入を上げるための原理原則、具体的に考えるべきこと、集中すべきことを話した。


こういう原理原則を知っておくとなぜ良いか。それは、失敗したりして一時的に評価や収入額が落ちたとしても(定数によって落ちることだってある)、正しい努力とは何か、何をぶらさずに進めばよいかが自分の中ではっきり分かるから、周りの状況や自分の一時の結果や評価に一喜一憂せずにやるべきことを積み重ねることに集中できるのだ。そういう人間は強い。そうすれば必ず中長期的には上向いてくる。だからこそ原理原則と言えるのだ。


逆に、この原理原則からはずれていると、一時的にはもてはやされて収入が上がっても、中長期的には落ちていってしまい、そこから再起できない人もいる。


前にも話したことだが、人生はそういう意味で、やはり中長期的には、考えてきたこと、やってきたことが結果に表れ、基本的に帳尻が合うようになっているのだ。


ちなみに何度も言うが、最もローリスクでハイリターンを狙える投資がひとつある。「自己投資」だ。自分を高めることに時間とお金と頭と手足を使おう!


P.S.過去一くらいに長い文章になってしまった。申し訳ない!でも、それだけ重要なことなのだ!

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