*この記事は弊社ドットコネクトの学生アルバイトに配信している「気まぐれ社長コラム」の内容(2024年8月27日)を抜粋して掲載しております。
今日は少し、日本という国の財政の話をしたい。マスメディアやエゴな権力者たちに騙されない自分を作るためだ。
君たちはテレビか何かで、「日本は国の借金が1200兆円もある!これは国民一人当たり1000万円の借金だ!日本は財政破綻する!日本に未来はない!」みたいな話を聞いたことがないだろうか。
これはかなり意図的に日本国民に不安を抱かせるメッセージだ。
根拠は後で述べるが、まず、日本はそんな簡単に財政破綻しない。20年以上も前から財政破綻すると言われてきたのに、一向にしないではないか。
それに、「国の借金」ではなく、正しくは「日本政府の借金」だ。そして、「国民一人当たり1000万円の借金」などと言い、あたかも僕たち国民が返さないといけないお金であるような印象を与えている。しかし、そうではない。別に僕も君たちも誰かに返さないといけないお金ではない。
なぜ日本がギリシャのように財政破綻しないと言えるか。
ひとつの理由は、日本政府の負債は、100%自国通貨建てで国債発行したものだからだ。
日本の通貨は言わずもがな「円」だ。ドルでもユーロでも、元でもウォンでもない。
自国で発行できる通貨で借金をしていて、どうやったら返せなくなると言うのだろうか。
ギリシャはユーロ加盟国だから自国で通貨(ユーロ)の発行はできない。だから財政破綻があり得たのだ。日本とは構造が全く違う。
そんな簡単に財政破綻しないと言えるもうひとつの理由は、日本には負債を超える額の資産があるからだ。
日本は国内にも国外にも非常に多くの資産を保有しているのだ。これはほとんどテレビは報じない。
企業だって、いくら多くの負債があったとしても、資産(現預金など)がその額を上回っていれば債務超過(負債が資産の合計を上回ること)にはならないし、キャッシュが枯渇しなければ、赤字でも債務超過でも倒産はしない。
それに日本は、30年間以上も「対外純資産」の金額が世界一なのだ。
少し簿記を勉強したことがある人なら分かると思うが、純資産というのは、「資産-負債」の残った分を言う。
対外純資産というのは、日本(政府や企業や個人)が海外で保有している資産から、諸外国(政府や企業や個人)が日本で保有している資産(日本から見れば対外負債)を差し引いた金額のことだ。これが日本は471兆円もあるし増えている。世界一だ。
これは、財務体質が健全であることを示しており、財政破綻とは程遠い。そもそも対外純「負債」が世界一のアメリカだって財政破綻していないではないか。
最近は「歴史的な円安で日本の財政が悪化した」という報道も多いが、実は日本はドルをたくさん持っているのでその分の価値が上がり、対外純資産額が前年対比12.2%も伸びたのだ。
いかに日本のマスメディアは片方の側面しか常に報道しないかが分かるだろう。日本は負債をはるかに上回る資産を持つ優良な財務体質を持つ国なのに、「財政破綻する!」「未来がない!」といった真逆の報道ばかりなのだ。片方のみピックアップして不安を煽っているのだ。こんな報道ばかりを情報源にしていたら簡単に騙されてしまう。
そもそも財務や会計がある程度分かっていれば、「誰かにとってのプラスは必ず別の誰かにとってのマイナスになる」ということが理解できるはずだ。いわゆる借方(かりかた)と貸方(かしかた)だ。
日本政府のマイナスは、誰にとってプラスなのか。基本的には日本企業や日本国民だ。日本政府が国債発行して負債を作るから、日本の市場にお金がより多く流通し、貯蓄や投資やレジャーなどに回す余剰が増えるのだ。
財務省や財務省に言いなりの国会議員が、「プライマリーバランス(公共サービス等をどの程度税金で賄えているかの指標)ゼロを目指す」などと声高に叫んでいる。これは愚かなスローガンだと僕は考えている。
要するにこれは、国債発行(日本政府の負債)を極論ゼロにして、税収だけで賄えるようにすると言っているのだ。するとどうなるか。市場に流通するお金がどんどん減るのだ。
もちろん極端に国債発行しすぎると、日本円の価値が暴落してハイパーインフレになることは理論上あり得るが、そこまで過剰にやらなければ、国債発行してもっと積極財政(政策として積極的にお金を使うこと)に転じれば、市場に流れるお金が増えて、僕らはもっと潤うのだ。
この30年間、財務省とマスメディアが結託した報道の思うツボで、破綻するなどと不安を煽り、増税を受け入れさせる理由にしている。税金や社会保険料の負担はどんどん増えて僕らの生活は苦しくなっているのに、税収は過去最高だ。ますます国民はお金を使わず貯金をするようになった。市場をお金が循環しなくなり、景気が悪くなる。負担も大きいから将来不安のため子どももなるべく産まず、国力がどんどん衰えていく。それを望んでいる人たちがいるのだ。
逆に、「このお金持ちは資産が100億円!」みたいな話もある。これも偏っている。札束を積み上げたりとかしてお金持ちアピールしたりしている。しかし、100億負債して100億の資産を手にしているだけかもしれないのだ。本当のお金持ちというのは、純資産(資産-負債)が多い人のことを言うのだ。
同様に、「年商10億!」などとSNSなどでアピールしている人も増えた。本当に凄いかどうかは利益がどれだけ残っているか(P/L)と、純資産がどれだけあるか(B/S)なのだ。
もっと言えば、僕は同じ利益額なのであれば、売上は極力少ない方が僕は良いと思っている。100億の売上で利益が1億より、10億の売上で利益1億の方が良いと僕は考えているということだ。「年商(売上)がこんなに多いよ!」というアピールは、偏った見方というか、「すごい」とか「優れている」と判断するには情報が不足しているのだ。僕なんかは、「年商しかアピールしないってことは、利益や純資産は大したことないのかも」と思ってしまう。
こういう詐欺まがいな広告が本当に最近はSNSで増えているから、こういうことを知っていれば、煽られたりだまされたりすることも減るだろう。
日本のマスメディアの偏向報道は本当に酷いものがある。だから君たちも情報源は意図的に選ばないといけない。
そして、なんとなく彼らの言いなりの人生を送るのではなく、常識や通説を疑い、本質を見極める目を養わないといけない。
かく言う僕だって、つい最近までそうだと思い込んでいたこともあったりする。だから常に勉強なのだ。
情報は発信する側の立場や意図によっても加工されてしまう。だからこそ情報はなるべく一次情報がいい。自分で行ってみる、やってみるが一番大事なのだ。
次いで、客観的なエビデンスのある情報が大事だ。しかし、都合よくエビデンスが集められているケースも結構あるから論理的思考と客観性が大事だ。
さらに次いで、自分が本当に信頼できる人が発信している情報も大事だ。
疑いの目は持ちつつも、そういうところからの情報をどんどん取捨選択し、何が正しいか、信ぴょう性が高いかを、数年・十数年・数十年単位で答え合わせしていく。そうすると、だいぶ直観力がついてくる。
20年前に「日本はもうすぐ財政破綻する」と言っていた人の主張は信用できないと思える訳だ。僕は大学生の頃に「日本はもうすぐ財政破綻する」と主張していたFさんの本を読み、「なんか違う」と思って読むのをやめて速攻捨てた。今もこの人はそんなことばかり言っている。そしてその人を重用している、とある政治政党を僕は一切信用していない。そうやって情報は繋がり、自分は誰を、どこを信用するかを選択していく材料にするのだ。
新型コロナのときの報道も酷かったが、この前の南海トラフと絡めた不安煽りまくりの報道も酷いと思った。もちろん地震はいつ起こってもおかしくないが、変に慌てず、日ごろから備えておくことが大事だ。これからも緊急事態条項を通すため(と僕は思っている)の南海トラフと絡めた煽りは増えるだろうし、10月から接種開始されるレプリコンワクチンを促進するための偏った報道もこれから行われるだろう。
日ごろからきちんと備えられるように、日ごろから質の高い情報を仕入れておくことだ。それが、時代の流れを読みながらこの複雑化した社会を柔軟に渡り歩くコツのひとつだと思うのだ。
偏った情報を鵜呑みにして何か損害を被ったとしても、その情報を流した人たちは基本的に責任は取ってくれない。自己責任なのだ。だとしたらやはり自分で情報は選び、見極める目を養った方が良いだろう。
P.S.簿記の勉強も、政治の勉強も、経済の勉強も、国内・海外の旅も、仕事・アルバイトも、どんなジャンルの経験や勉強も、つきつめれば自分自身の人生に影響してくるし、ひとつひとつの点と点が結び合わさってくる瞬間が来るものだ。まさに「ドットコネクト」だ。だから今はどんどん色んな経験をして、人と関わり、学び、遊ぶことだ。
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